ゴースト・ワールド

監督:テリー・ツワイゴフ (2001 米)
出演:ソーラ・バーチスカーレット・ヨハンソンスティーブ・ブシェミブラッド・レンフロ
内容:卒業してはみたものの。
子供というには少し年齢が高い気もするが、それでもやっぱり大人になりきれない女の子の話。
鬱陶しい高校の卒業と共に始まるバラ色の毎日、のはずが今一パッとしない。ようやく卒業できたはずが美術の補習を受けなければならず、退屈な補習の中でようやく自分の長所を見出されたと思ったら諸事情によりその進路は閉ざされ、苦手な継母が戻ってくる家からは早く出て行きたいが収入もなく、親友は現実的で徐徐にかみ合わなくなってくる。これは社会の欺瞞や妥協に敏感な若者ゆえの感受性とプライドの高さからくるもので、傍から見れば大したことない/仕方のない出来事ばかりだが、それでも全てが上手くいくと思った矢先の八方塞がりは自分が見下していた人たちが上手くいっている事実と併せて受け止めると、当人にとっては絶望。
それにより元元逃避しがちだった主人公は完全なる逃避、つまり大人になることを拒否してしまったように思うのだが、ここのところがいまいち消化不良。モラトリアムというゴーストワールドの住人から本物のゴーストになっちゃいました!てことで良いのだろうか?救いがないエンディングでも構わないが、あまりに淡淡としすぎていたのでちょっと判断しづらい。