それはともかく私はのどが痛い。

交差点で自転車に乗ったサラリーマンが警察に止められているのを見た。遠目に見た感じでは軽い職務質問で、できたら防犯登録も照会させてもらえますかぁ?てな具合だったが、サラリーマンは急いでいるのかうろたえているのか、必死に自分の会社があるらしき方向を指さしたり名刺を見せて己の身元を証明したりしていた。
警察からしたら己の職務を遂行しているだけなんだろうが、やはり一介の民としては警察なんかには関わりたくないのだろう。なぜ嫌がるのかは周囲の視線を追えばわかる。他人の不幸は密の味とまではいかなくとも、対岸の火事はエンターテイメント足りうる。そんなこと言っている私も、以前中野駅前で職務質問している警察を見てその場から逃げたことがある。我が身にやましいことがなく、ただの職務質問であれば受けるのが国民の義務だとは思うが、それは理屈であって、やはり一時的にとはいえ何の覚悟もなく舞台に立つのは誰だって厭なものだ。
ちなみに警察はかなり見た目で決めつけてくる。私が金髪というかオレンジ頭だった頃はただ普通に自転車に乗っているだけで呼び止められたが、スーツを着たサラリーマンスタイルの今では夜間に無灯火でも何も言われない。それはそれで如何なものかとは思うが、警察も片っ端から疑ってかかるわけにもいかないだろうから仕方のないことなのかもしれない。