ダ・ヴィンチ・コード

いつだったか忘れたがたぶん2、3年前の話。私の知る限り本などさっぱり読まなかった大学の友人ナカムラさんが、最近本を読むようになったということでそれなら最近面白かったのを教えておくれ、と聞いたら強力プッシュされたのが「ダ・ヴィンチ・コード」。当時既に有名だったので特に驚くべきことでもないが、ナカムラさんは何故かやたらと「謎解きがちょーすごい」と感銘を受けていた様子だったのを覚えている。
とまあそんな枕があって「ダ・ヴィンチ・コード」を読んだ。ひとくちに言って1つの殺人事件に巻き込まれた主人公が複雑な暗号を経て聖杯伝説に至る推理小説。内容はローマ・カトリックの歴史の暗い部分を暴くもので概ね事実に基づいていると思われるがあくまでもフィクションである。事実に基づいた空想である。にも関わらず大きな反響を呼びベストセラーにまでなったのはそれだけ説得力がある嘘が並べられていたからではないだろうか。とにかくレオナルド・ダ・ヴィンチの謎とか聖杯の行方とか、そういう歴史の謎みたいなものが好きな向きには楽しめることと思う。真面目なMMRみたいなかんじ。
ところで読んでいる途中から同じことを日本版でやるとどうなるかという誰でも考えそうなことが頭に浮かんだが、ダ・ヴィンチの代わりを平賀源内とかにしてしまうとすごく半端な感じになると思うので、もっとこうタブーの暴露話ということでいうとキリスト教のかわりは天皇家かなと。最近はだいぶゆるくなってきたようだし、あまり目くじらを立てられそうにないところでいうとやはり継体天皇とか壬申の乱とかその辺だろうか。他には聖徳太子ぐらいしか思いつかない。ただその辺の話というのは一般通念みたいなものすら持たれていないような気もするのでやっぱり上手くいかないかもしれない。

ダ・ヴィンチ・コード 上・中・下巻 3冊セット

ダ・ヴィンチ・コード 上・中・下巻 3冊セット