「我に七難八苦を授けたまえ」で有名かどうかは知らないが山中鹿之助のお話。私の祖母がこの七難八苦のくだりが好きで、幼い自分からその話を聞かされていた私としてはすごく有名な人だと思っていたが、実際のところはどうなんだろうか知らない。それでもよく知らなかった尼子家周辺の話がよくわかって良かった。
ところで鹿之助は生涯通じて尼子家再興を願いつつ果たせないわけだが、それは結局時勢に乗り遅れたからでつまりは力が及ばなかったということである。読んでいる最中はもう少しもう少しと応援してしまうが、よくよく考えてみればあまり大局が見えない人だったのかなという気もする。もっとも彼の名前が残っているのは主にその胆力というか主家への忠誠心によるので、その辺はもうそれでいいんじゃないかなということでまあ面白かった。
- 作者: 南条範夫
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
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