メルシィ!人生

監督/脚本:フランシス・ヴェベール (2000 仏)
出演:ダニエル・オートゥイユジェラール・ドパルデュー、ティエリー・レルミット、ジャン・ロシュフォールミシェール・ラロック
内容:透明人間を自認する男がクビを回避するためについた嘘から変わっていく。
ゲイ差別を逆手にとったコメディ。展開は概ね読めるがそれでもいろいろと笑えるんだから素敵だ。特にジェラール・ドパルデューが演じたホモ嫌いの男の怪しい目付きがたまらない。ジャン・ロシュフォールもおまけのような役だが、美味しい台詞をさりげなく言う場面は決まっている。
原題は「Le Placard」、クローゼットという意味でアチラではクローゼットというのはゲイの意味があるらしい。いろんな愛の形があるのはフランスだからというわけでもなく、ゲイ差別に対する皮肉のようなものがこの作品に強くこめられているからだろう。最悪のように思える邦題も苦しんでつけたのかもしれない。
同僚のバカ二人がピニョン氏を襲う前に車内で話してたのはたぶんギャスパー・ノエのカノンのことではないかと思う。この作品の監督はおそらくあんなのと一緒にしてほしくないというか否定したい気があったのかもしれない。マイナスとプラスでマイナスの評価。