一昨日から右耳が痛いのでおできかなと思っていたら、今朝液体がでてきたので病院に行った。どうやら昨夜、かゆかったので綿棒でグリグリやったのが決定打となったようだ。音も聴こえづらい。
病院はいつもの町医者ではなく、朝早くからやっている総合病院に行った。人が多い方がおもしろいかなと考えたのがその理由だが、よく考えると朝早いという条件と矛盾している。朝早ければ出社も早いが、人が多ければ混雑して出社は遅くなる。ちなみに町医者の場合は昼間にいっても診察室に直行できるほど人がいない。
さて病院についてみると、カフカの幻想小説を思わせるような長蛇の列ができていたが、私は初診ということで幸いにもそれとは違うラインだったので、すぐ診察室の前まで辿り着き、名前を呼ばれるまでお待ちになった。
待合室には人がまばらに座っており、私と同じように呼ばれるのをお待ちになっていた。しかしなかなか呼ばれない。鞄に入っていた本も読み終えともまだ呼ばれない。周りではせかせかと病院の人たちが歩き回っており、また入院していると思われる患者が点滴台を押しながらうろうろしている。どうやら彼等は一般患者より先に診察されるらしい。治療に専念すべく入院し暇を持て余している人たちを仕事の合間に通院している人たちより優先するのは間違っているようにも思えるが、それはこの病院の方針なのだからここを選んだ私が悪い。
動き回る病院勤務の人の中には中学の同級生もいた。しかし声はかけなかった。むしろ彼女の兄(あだ名はミッキー)との方が仲が良かったりする。かの兄妹は私が住んでいた家の近くに引っ越してきた。その家はバブリーな時期に三億円で売りにだされた家だったが、彼女の一家はそれが一億円まで下がってから購入したらしい。私の家にもチラシが入っていたからたぶん本当だ。
そんな話はどうでもよくて、結局私が名前を呼ばれたのは町医者に行ったのとそう変わらない時間で、なんとなく先の矛盾も雲散霧消したかたちでそれはなによりだった。
診察は耳の中を覗いて掃除して薬をぬってすぐに終わった。まあこれは予想通りだが、医者の愛想のよさは予想外だった。「次回はいつお会いできますか?」とか言われてしまった。右耳を見せていたので左側を向いていたのだが、隣で診察していた女医さんがきれいだったので、どちらかというとこの女医さんに言われたかった。ニコニコと愛想のいい茶髪のおっさんに「いつお会いできますか?」と言われてもなあ。