家族はつらいよ

監督:山田洋二(2016 日)
出演:橋爪功吉行和子風吹ジュン
 グアムへの機内で鑑賞だから、3か月も前に見た映画。
 物語は老夫婦の離婚問題を発端に家族の抱える問題が噴出し、修復していく様子が描かれている。ただそれぞれの家族の問題というのが大したことないというか、問題の描写が少ないので父親が少し譲歩しただけで解決した印象が拭えない。
 これを見て気がついたのは、山田洋次の感覚は古いということ。実は「男はつらいよ」でも最後の方は古臭くなっていたのだ。しかしそこは贔屓目に見ていたのと様式美として捉えていたので良かったのだが、実は時代に合わなくなっているのだと改めて思った。これでもかというくらいの豪華なキャストも、実は松竹120周年というのと監督への義理で出演しているのではないかな。随所にみられる過去の作品への山田洋次的オマージュも若干鬱陶しい。そしておそらく世間の人も気づいているんではないか。もっとも山田洋次もいい年齢なので、今更こんなこと言っても仕方ないかもしれないが、もう新しい時代にはついていけなさそうなので、やはり古い時代の映画を撮るべきなのではないか。新しい時代の中に残る古き良きものを追いかけるのを見るのは、ちょっとつらいものがある。

トゥモローランド

監督:ブラッド・バード(2015 米)
出演:ジョージ・クルーニー
 1964年NY万博で発明品を持ち込んだ男の子と、NASAで働く父のために発射台解体を妨害する女の子、それぞれが見いだされ、トゥモローランドへのバッジを入手し、トゥモローランドへ行くことになる。が、トゥモローランドは既に崩壊しかけていたのだった。実はすべてを制御するモニターが崩壊の原因だった!だからぶっ壊す!特に裏付けはないが!という物語。
 最初から最後まで、敵も味方も「選ばれた者だけが!」と選民思想丸出しで驚いた。さすがディズニー!おれたちにできない事を平然とやってのけるッそこにシビれる!あこがれるゥ!映像はきれいで、仕掛けも遊園地みたいで楽しかったんだけど。