爆撃調査団

百輭先生のものにまつわる随筆集。短い随筆が詰め込まれていて読みやすいのは良いが、感想を書くとなると一一覚えてられないのが残念。印象が強かったのは食べ物にまつわる話。さすがに食い意地がはっている。
百輭先生は芸術院会員への選出を「イヤダカライヤダ」との理由で断ったという逸話が残っているほど偏屈なことで有名だが、その実、非常に常識人で几帳面で素直な性格であると思う。その行動には奇妙な理屈がついてまわるので怪しい雰囲気が紛紛と漂うが、それは常識と自分の理解との隙間を埋めるための埋草にすぎない。そしてその埋草を馬鹿丁寧に一一説明してくれるので、傍から見ているとこれが大変面白いわけだが。ただ几帳面な一面が己の気の向いたところにしか発揮されないところを見ると血液型はB型かもしれない。