高野聖

高野聖 (角川文庫)

高野聖 (角川文庫)

泉鏡花という作家、名前がかっこいい程度にしか知らなかったが、ようやく作品を読んだ。収録されていた作品は『義血侠血』『外科室』『夜行巡査』『高野聖』『眉かくしの霊』。
『義血侠血』『夜行巡査』はともに正義を貫き馬鹿をみる話。といっては乱暴すぎるか。どちらも自らが負う公務?のために、結果的に命を捨てることになる。パラドックスというか、なんと言うか。
『外科室』は文体のせいもあるが細かい点までは理解できなかった。耐え忍ぶ恋ということだろうか。それにしても麻酔ナシで胸を切るあたり壮絶。
高野聖』『眉かくしの霊』はギリアムの『未来世紀ブラジル』に負けず劣らず、幻想的・悪夢的。特に『眉かくしの霊』は背後で起きたことを目にする点、料理長の話が現実に目の前で展開される点、鏡のような桔梗の池、と鏡が関係しているのだろうか。映画化しないかなあ。
全体的には旧仮名遣いで読みづらかったがなぜかキレイな雰囲気は掴めたような。登場人物、特に女性の優雅な身のこなしが目に映るようである。恐るべし、旧仮名。