女王陛下のお気に入り

監督:ヨルゴス・ランティモス(2018 英=愛=米)
出演:オリヴィア・コールマンエマ・ストーンレイチェル・ワイズ

18世紀初頭のイングランドの人々は、パイナップルを食べることとアヒルレースに夢中になっていた。体の弱いアン女王(オリヴィア・コールマン)の身の回りの世話をする幼なじみのレディ・サラ(レイチェル・ワイズ)が、権力を掌握していた。ある日、宮中に新入りの召使いアビゲイル(エマ・ストーン)がやって来る。(Yahoo!映画より)


『女王陛下のお気に入り』日本版予告編

 18世紀イギリス王室の女の闘い。女王とサラの蜜月にアビゲイルが図らずも割り込み、女王との関係を利用してサラを追い出すまでの話。wikipediaを見る限りではおおむね史実通りなのが恐い。脚色はあるだろうけども、英国史についてよく知らないのでひたすら恐れ入るしかない。宮廷内が切り取りづらいからか広角が多かったり、変な音楽(効果音?)が入ったりと、時代劇にありがちな狭苦しさ/古臭さからの脱却を試みた感じはあった。そのおかげか古臭い感じはしない。
 元は純真だったがサラの教えにより成長し、強かさを出していくアビゲイル、最初から最後までひたすら強いサラ、どちらも良かったが、やはりヒステリーを起こしたり半身麻痺だったりの女王がすごかった。アカデミー賞も納得、ただし主演女優かどうかについては疑問が残る。3人の関係なんで、3人とも主演か、もしくは女王は助演か。主演と助演は何をもって決めるんだろう。
 女王を描くのに側近と寝ていたりヒステリーだったりと、リアルなのかもしれないが良くは描かれてないこういう作品も許容してしまうのは英国のすごいところ。日本の場合は皇室が許しても周りが許さないだろうし。王朝が異なるからいいんだろうか?その辺の感覚は不明。