風土記の世界

日本で最も古い書物と言えば「古事記」「日本書紀」が挙がるが、「風土記」もまた713年に発せられた命令への地方からの回答(解)なので、回答時期によっては「日本書紀」よりも古いものもあったかもしれない。かもしれないというのは「風土記」のほとんどはいつ回答されたものかわかっていないためで、それどころかそのほとんどが完全な形で残っていないという幻の書物なのである。
また、ほぼ完全な形で残っているのが神話的に見て特別な出雲国のものであるというからまた興味深い。さらに興味深い点を並べると
  • ヤマトタケル(倭武)天皇」という記載がある
  • 「神功天皇」という記載がある
  • 出雲国風土記は命令から20年のに回答された(と記録されている)
  • 浦島太郎の元ネタが載っている
等々、歴史のロマンが詰まっていると言っても過言ではないのである。その「風土記」の概要と特長を知るにはうってつけの本であった。
風土記の世界 (岩波新書)

風土記の世界 (岩波新書)