国のない男

「翻訳夜話」に名前が挙がったヴォネガットのエッセイを見つけたので読んでみた。
知的な小説家による皮肉のきいた現代社会批判。読むには易く、という感じだが書くのは大変そうという印象。ハムレットの話が一番面白かったかな。
ところでこのエッセイでも触れられているが石油の備蓄量というのはどうなったんだろうか。私の子供の時分には、このまま採掘し続けると近い将来無くなってしまう!という傾向だったと思うが、最近では石油の問題は大気汚染にシフトしてしまったのか、とんと聞かない。実際には考えられていたより早く石油が生成されていた、という話を聞いたことがあるような気もするが、つまるところ石油産業の値上げ工作か、代替エネルギー産業によるプロパガンダか、そんなものだったのかもしれない。エネルギー問題というやつも実情のよくわからないあやしい話である。