みちのくの人形たち

深沢七郎の短編集。著者はwikiによれば「楢山節考」の著者でギタリストという不思議な人らしい。
子供の頃と現在の身の回りを比べてみると、大きく変わったように思えるもので、それは当然のことかもしれないが、私が生まれた1970年代末からの90年代末までの20年と、その後の20年では変化の振れ幅がだいぶ異なり、同じ20年とは思えない。もっともその後の20年のうち10年は、私はほとんど日本にいないので変化を体感できてないだけかもしれないが、それを差し引いても70年代から90年代の変化の方が大きいように思う。
「みちのくの人形たち」はその変化する前の日本が描かれた作品で、どこでこの本を見つけたのか思い出せないまま読んだが面白かった。変化によって失われた、「昭和」では括り切れない土俗的な部分が色濃く感じられる。表題作「みちのくの人形たち」のラストの並んだ人形たちを見る著者の感想が恐い。不思議な日本語も良かった。

みちのくの人形たち (中公文庫)

みちのくの人形たち (中公文庫)