浄土

町田康の短編小説集。
わかりやすいようなわかりづらいような修飾を連ねた文章が特徴的な著者の作品は、たまに面白いので困る。難しい言葉を借りない修飾というのは、よその評価、他の人の頭で考えたことを借りないということ(解説では「徹底して周辺事情との切り結びですべてを済ませる」 )で、簡単なようで難しい。他人の力を借りないで修飾より難しい。またそれだけに読む側の感性にもかかわってくるだろうから、おそらく読む人を選ぶ。というより誰にでも読めてしまう。そこがにくい。にくたらしい。

浄土 (講談社文庫)

浄土 (講談社文庫)