一瞬の光の中で

ロバート・ゴダードのミステリ。6月に読んだ本。
ウィーンで出会った女性が忘れられない主人公は、再会を約束して別れるが、彼女はメッセージを残して消えてしまった。撮影したはずの写真もない。果たして彼女は何者なのか?カメラ草創期の秘話を絡めて物語は劇的に展開する。
知的だが危なっかしい主人公、悲劇的な運命の(昔の)女、犯人に操られる主人公。ゴダードの好きな、もしくは得意なピースがちりばめられていて、安定の面白さではある。ここからネタバレになるのでこれから読むつもりの向きは注意してほしいが、娘が死んでしまったのが異様に悲しい。内容にケチをつけたくなることはあまりないのだが、これはちょっといただけない。死なせる必要がない。そこまでするかなあ犯人。なのでおすすめはしない。

一瞬の光のなかで〈上〉 (扶桑社ミステリー)

一瞬の光のなかで〈上〉 (扶桑社ミステリー)

一瞬の光のなかで〈下〉 (扶桑社ミステリー)

一瞬の光のなかで〈下〉 (扶桑社ミステリー)