地球礁

R・A・ラファティの長編SF小説
最悪の星、地球に住みついたデュランティ一家だが、大人たちはみな地球アレルギーに病んでいた。この世界を住みよいものにするために、悪ガキ六人(と幽霊一人)は全人類抹殺を決意、二度と降ろさぬ帆をあげて旅立ちをするときが来た、というお話。
地球人とは似て非なるプーカ人。解説によればアイルランド時語にその源を見出すことができるという。確かにプーカ人が異星人と明言されてはいない。いないけどもそう考えるのが妥当ではある。プーカ人という響きもさることながら、唐突な設定が『家畜人ヤプー』に似ている。ただし、ヤプーほど説明に命をかけておらず、そのへんは最後まではっきりしないのでそこはモヤっとするが、そんな細かいことはどうでもいいような内容ではある。
彼らは何と戦ったんだろう。あからさまに悪いやつらを殺しているから、敵は社会悪ともいえるし、インディアンたちとは馬が合うようだから、マイノリティの代表としてマジョリティに反旗を翻しているようにも見える。また別な見方をすれば奇天烈な展開ながらも親離れするなど子供たちは大人になっていってるようにも見え、子供たちの成長譚ともいえる。つまりなんだかよくわからない。ただそういった枠に簡単に収まらない作品ではある。

地球礁 (河出文庫)

地球礁 (河出文庫)