異形にされた人たち

塩見鮮一郎による、徳富蘆花が貧民窟を訪れた話をまくらにした書き下ろしのほか、被差別民についてを主としていろいろまとめた本。
話題は多岐にわたるが、サンカ、穢多、非人、長吏、その他「四民平等」で忘れられた、かつて差別された「異形の人」たちを追い求める根底には、時の流れとともに消えてゆくものへの憧憬がある。また現在では常識、当然と思われるものが実はそんなに歴史の古いものではない、と暴露することへの楽しみが感じられる。

異形にされた人たち (河出文庫)

異形にされた人たち (河出文庫)