すべては彼女のために

監督・脚本:フレッド・カヴァイエ(2008 仏)
出演:ヴァンサン・ランドン、ダイアン・クルーガーほか
内容:妻を脱獄させる
ある日突然妻が殺人容疑で逮捕され、そのまま有罪となり、刑務所へ。妻の無実を信じる夫は、妻を助けるべく脱獄を計画する。
この夫のすごいところは計画から実行まで全てをわが子の安全を確保しつつ行っている点にある。見ていて努力の方向性が間違っているような気はするが、平凡な一教師にとって、ただでさえ大変なことを子連れでクリアしてしまうのは感心してしまう。
サスペンスとしては十分に盛り上げてくれるこの作品だが、どうしても冒頭の冤罪による有罪判決には納得がいかない。もちろん冤罪でなければストーリーが成り立たないので目をつぶるしかないのだが、それにしても冒頭の殺人は物盗りなのか怨恨なのか。前者であれば被害者の所持品などから判明=妻は無罪だろうし、後者であれば捜査線上にもう一人ぐらい浮かんできていても良さそうなところ。それに犯人は妻にぶつかってるんだから妻の上着を調べれば証言と合致する繊維が見つかるんではないだろうか?その辺を全部すっ飛ばして冤罪の可能性のある被告を有罪にするんだろうか?そこだけちょっと引っかかった。