犯罪の通路

野並助のエッセイ。
著者は終戦時に検事総長を勤めていた人で、若い頃から見てきた犯罪とその検挙の舞台裏などをまとめた一冊。
著者は明治生まれの戦後没ということで、おそらく若い頃に担当した地方の仕事などでは江戸時代を色濃く残した田舎の人たちを相手にしていたんだろうと思う。実際に北海道にいた当時の話ではかなり骨を折った様子。今まで私がいわゆる戦前という時代に興味を持っていなかったからかもしれないが、当時の話を現代に読めるのはなんともありがたい。他に津山三十人殺し赤毛布事件など有名事件についても生生しい話を読めて良かった。

犯罪の通路 (中公文庫)

犯罪の通路 (中公文庫)