マダム・タッソーがお待ちかね

ピーター・ラヴゼイの長編ミステリ。といってもそんなに長くない。
地味な警察官の元にかつての上司がやってきて、ある殺人事件の真相を究明してほしいと依頼。貞淑な人妻が恐喝者を毒殺した裏には何が隠されているのか?そして上司の依頼の真相は・・・。
殺人事件の真相もさることながら、上司の依頼の裏に隠された意図もなかなか意表をついていた。最初と最後で登場人物(とくに死刑囚である人妻)の印象が変わるのも良い。マダム・タッソーの蝋人形館に飾られるかもしれないことに喜ぶ処刑人、というサブストーリーも地味ながら効果的に本筋と絡んでいてよかった。渋い。

マダム・タッソーがお待ちかね (ハヤカワ・ミステリ文庫)

マダム・タッソーがお待ちかね (ハヤカワ・ミステリ文庫)