浅田次郎の長編歴史小説。『蒼穹の昴』『珍妃の井戸』に続く、清朝に西太后が幕を引き、新政府が誕生するまでの混乱を、清朝勃興期・転換期の話を交えつつ描いた群像劇。後半は東北の馬賊・張作霖を中心に描いている。
張作霖といえば関東軍に爆殺された人、ぐらいの知識しかなかったが、なかなか魅力的な人物として描かれていた。満州成立の下地のようなものもなんとなくわかったような気になった。
ただ描かれる時間的範囲が少し気に入らない。清朝は崩壊した。一応、主人公の一人である李春雷と『蒼穹の昴』の登場人物たちが再会はした。混乱期にのし上がった袁世凱も死んだ。でもなんか中途半端な感が拭えないのは、おそらく張作霖がどこまでいけるのか、その最期を見届けられなかったからだと思う。
次に控える『マンチュリアン・レポート』はまだ買ってないのだが、評判が悪いのでどうするか考え中。
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