中国四大奇書の一つ、「水滸伝」の北方謙三版。ちなみに他の三つは西遊記、三国志演義、金瓶梅。金瓶梅は読んだことないが、水滸伝のスピンオフらしい。
それはともかく、水滸伝は小学生の頃に子供向けのを読んだのと、中学だか高校で吉川英治のを読んだような記憶がある。その記憶によると108人の漢たちが山に集まってそれぞれの能力を生かして国と戦う、という話だったのだが、北方水滸伝はだいぶ変わっていた。換骨奪胎というのか、お伽噺のような原作を「中国ならこのぐらいアリだろう」と思わせる程度に現実的な話に変えていた。あとは北方節とでも言うのか、出てくる連中はこれでもかというほどに清清しく、男らしい。出てくる女性まで男らしい。魅力あふれる人物ばかりである。やはり林沖はかっこいいなあ、とおもっていると、李逵が板斧を持って暴れまわり、穆弘が地味に活躍する。そんな108人の男らしさ全開で全15巻。おなかいっぱいである。しかも続編まである。これが少しだけかと思いきや全15巻もあるらしい。げっぷが出そうである。しかも最近は三国志まで書いてるというからすごい。著者のワイルドさと中国のワイルドさがぴったりはまってしまったのだろう。
- 作者: 北方謙三
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2012/09/28
- メディア: Kindle版
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