街のあかり

監督：アキ・カウリスマキ (2007 芬)
出演：ヤンネ・フーティアイネンほか
内容：孤独な夜警が堕ちていく。
敗者三部作の完結編。
主人公は前二作よりさらに孤独で人に好かれることもないのだが、めげない。過去の主人公たちも打たれ強かったが、今回もまた打たれ強い。それが恋に落ちてしまった作用なんだろうか。これでもめげないかー、という意味で笑える。
ところで主人公が夜警ということで夜のヘルシンキらしき街をうろつくシーンが多いのであるが、途中で出てくるガード下がなんとなくフィンランドっぽくて良い。ただ少し幅が広いせいか明るすぎる気がしないでもない。
ガード下や地下道は、狭苦しくて押し潰されるような感じが良いのである。JRのガード下に多く見られる鉄骨感剥き出しなのも良い。新宿大ガードよりは有楽町駅が良い。とはいえ新宿も南口あたりの甲州街道下の狭い通路や西口の野村ビル近くまで行ける細い通路など捨てがたい魅力を備えた通路を数多く持っている。また有名どころだが吉祥寺駅南口通路などの使われていない感の高い通路も魅力的だ。今もあるのかな。
ちなみに最も良いのは東銀座にある銀座シネパトス前の地下道。これは2013年に閉館というのでその後どうなるかはわからないが、一見の価値がある。

街のあかり [DVD]