監督:市川崑(1976 日)
出演:石坂浩二、島田陽子、あおい輝彦、高峰三枝子、三國連太郎、草笛光子、地井武男、岸田今日子、大滝秀治
内容:犬神家の遺産相続
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私が子供の時分はレンタル屋がほとんどなかったので、テレビにかかる映画をよく見ていた。当時はたしか水野晴郎の金曜ロードショー、淀川長治の日曜洋画劇場のほかにも月曜ロードショー、木曜洋画劇場、、と毎日のように映画をやっていたので、80〜90年代はじめの有名な映画は大体テレビで見ていたように思う。
楽しみにしていたのはやはりジャッキー・チェンのアクション映画だったので、次週予告でこれがかかると喜んでいた。逆に喜べない、というより怖かったのはホラー映画の予告で、「グレムリン」、「ザ・フライ」なんかのちょっと恐ろしげな映画の予告を見た日には見ようか見まいか悩んだ挙句、やっぱり怖いので見なかったりしていた。そのせいでグレムリンはいまだに見たことがない。ちなみにもっとも恐れていたのは「バタリアン」で、今考えるとよくあんなの放送していたなと思う。需要があったのだろうか。
そのバタリアンと同じレベルで怖がっていたのが「犬神家の一族」で、とにかく湖から突き出た二本の脚が印象的で、なんだかよくわからないけどもおかしな苗字だ、というのと、その怖い予告をやたらとたくさん流すのはどういうつもりだ、と子供心に憤慨した覚えがある。
前置きが長くなったが、今回見た「犬神家の一族」はおそらくその頃に予告で見たのと同一作品なので、子供の頃の恨みを晴らしたことになる。
そんなにたくさんの邦画を見ているわけではないので私が感じたことが正しいのかどうかわからないが、どういうわけかこの頃の邦画はセリフが聞き取りづらい。特に早口な中年女性、この作品でいうと長女の松(高峰三枝子)なんか半分ぐらいしかわかりゃしない。まあ原作を読んでいるので大体はわかるけども。
原作といえば、本を読んだときの印象そのままの映像で驚いた。これは原作を読む前に先に述べた予告を見ているのだから当たり前かもしれない。全体に昭和の雰囲気が漂っていた。