笑い絵

出久根達郎の長編小説。
紙芝居屋が春本作りに関わり、XXな話に巻き込まれていく。庶民が時代に巻き込まれながらも精一杯生きていく感じが良かったのと二笑亭(物語の中では「可笑亭」)が出てきたのが嬉しい。
二笑亭というのは昭和初期の東京に出現した、アメリカのウィンチェスター館にも比肩する理解不能な怪しい屋敷の名前である。詳しいことはウィキペディアでも読んでいただくとして、この二笑亭を登場させ、さらに謎解きの一部にも使ってしまうのが良かった。出久根さんの長編の中では一番面白かった。

笑い絵 (文春文庫)

笑い絵 (文春文庫)