ウサギ料理は殺しの味

ピエール・シニアックの推理小説
フランスの田舎町のレストランでウサギ料理が出る日に限って連続殺人事件が起こるのはなぜか?というミステリ。フランスの田舎町を舞台にした話なので登場人物の名前がすごく覚えづらく、また探偵役の元警察官にして私立探偵シャンフィエががほとんど役に立たず、消化不良であることに我慢して2/3ぐらいまで読むことができれば、世にも珍しい「風が吹けば桶屋が儲かる」的殺人の全貌を知ることができる。
さらにその全貌よりも、本当にすごいのは冒頭から描かれる登場人物たちのエピソードのほとんど全てが殺人につながっていること。無駄に思えたエピソードの数々がつながってくるので無駄に思えた分だけ驚く。
ただその驚きとマイナス点を天秤に掛けて、名作であるとは必ずしも言えないのは残念なところ。翻訳次第でどうにかなりそうな気がしないでもないが、あまりオススメはしない。

ウサギ料理は殺しの味 (中公文庫)

ウサギ料理は殺しの味 (中公文庫)