犬神家の一族

横溝正史の長編推理小説
私が小さい時分にドラマ化だか映画化だかされて、当時のテレビコマーシャル(昔はCMとは言わなかった)で湖から死体が突き出ていたのを覚えている。金田一耕助役は古谷一行の印象が強かったが、wikipediaで調べてみたら古谷版は1977年のドラマだから私は生まれてない。当然1976年の石坂浩二が主演した映画版でも生まれていないはずだが、おそらくこの映画が金曜ロードショーにかかったのを見たのだと思われる。
で、犬神家である。いわゆる犬神とは何の関係もないのが残念だが、推理小説としてすごくしっかりしている。古い推理小説というとまずトリックありきで、トリックそのものに小説全体が左右されるものが多いが、「犬神家の一族」ではあくまでも物語が中心に据えられているので古臭い感じがしない。そういう意味ではすごく現代的な推理小説と呼べそう。面白かった。

犬神家の一族 金田一耕助ファイル 5 (角川文庫)

犬神家の一族 金田一耕助ファイル 5 (角川文庫)