クロフツ短編集(1)

「樽」で有名なクロフツの推理短編集。ちなみにその「樽」はまだ読んでいないが、次の船便の荷物に入っているはずなので楽しみ。
短編は21篇あり犯人の考え出すトリックは様様だが、動機についてはほとんどが金か女でなんだかどうしようもない気になる。探偵役のフレンチ警部もよく飽きないなとつまらないことに感心した。つまらないといえば全ての短編において犯人側の視点ではじまり、犯人が見落としたミス(それも7割方は指紋)をフレンチ警部が見つけるというスタイルも意外性が足りず途中からつまらなくなった。
それでも英国風殺人事件っぽさは随所に出ていて雰囲気は悪くなかったので、やはりアイデア勝負の短編ではない(と期待する)長編「樽」は楽しみ。

クロフツ短編集 1 (創元推理文庫 106-19)

クロフツ短編集 1 (創元推理文庫 106-19)