ピンク・パンサー

監督:ショーン・レヴィ(2006 米)
出演:スティーブ・マーチンケビン・クラインジャン・レノ
内容:バカ警部の活躍
意地悪なケビン・クライン、フランスという記号と化したジャン・レノを脇に従えて、クルーゾー警部スティーブ・マーチンが演じるコメディ。こういう映画は駄目な人は駄目だと思うので最初の15分で笑えなかったら見るのを止めた方がよろしい。もっとも“ピンクパンサー”と呼ばれる件のダイヤを見ればわかるようにくだらない笑いを狙っているのは一目瞭然であり、どうせ一般受けはしないんだからもっとくどくてもよいのでは。
ところでスティーブ・マーチンは人が目を背けてしまうようなバカを演じるのが本当に上手い。おそらくその目を背けてしまうなにかはかれのバカさに付いてくるバカであるがゆえの哀しみのようなもので、つまり彼が演じるバカは存在として常に弱者であり、欧米はいざ知らず、日本ではこの手の笑いは全くといっていいほど受け入れられないので、残念ながら彼が日本で人気を得ることは路線を変えない限りないのではないかと思う。