サンセット大通り

監督:ビリー・ワイルダー(1950 米)
出演:グロリア・スワンソン、ウイリアムホールデンエリッヒ・フォン・シュトロハイム
内容:若い脚本家が往年の大女優の家に転がり込む。
ビリー・ワイルダーというと後期の作品ばかり見ていたので、いわゆるフィルムノワールという分類にどっぷり漬かったような作品だったので驚いた。じゃあどんな話と思っていたかといえばそれはおおむね予想通りではあるのだけれども、ハリウッドという夢の舞台で夢を抱く若者二人と夢にとり憑かれた老人二人の対比は意外なほどにエグい。更に登場人物のほとんどはセルフ・パロディ(蝋人形のような元・無声映画のスターたちの中にバスター・キートンがいた!)になっていてグロテスクさに輪をかける。特に全てを手にしてなお過去の名声にすがる往年の大女優ノーマとその妄想を手助けする召使マックス、そして過去の繁栄を想像させる豪邸の奇妙さはすごく、その3つが揃ったラストの階段を下りるシーンのイカレっぷりは夢に出てきそうな怖さで即ちこの作品の魅力かと思う。
ちなみに召使マックスを演じたエリッヒ・フォン・シュトロハイムは「世界一ィィィィィィィ」のカレとは別人。