気まずい二人

初対面の人と話すと言うのは気の重いもので、私もまたその例に漏れず初対面の人と話すことは全くの苦手である。なにか言われても「ええ」とか「はあ」など空気が漏れただけのような返事を返すのが精一杯であることも少なくない。大抵の場合は当人の自意識過剰、どうにも相手を掴めないもしくは掴めないような気がするところに因ることは重重わかっているのだがそれがわかったところで一朝一夕にどうなるものでもなく、結局未だに初対面の人には慣れることができない。
三谷幸喜の台本風対談集。どうでもいいが「台本風」と書くと「台風」の中に本気の「本」が入っていて本気の台風みたいだ。で、初対面で何かを話すのが苦手な脚本家三谷幸喜が初対面の女性と何かを話している風景が台本風になっている。ト書きが緊張感を高めていて良い。あとがきには対談相手から収録不許可といわれたもの、もっとひどいのは連載なのに掲載不可になったものもあったとあり、一体何を話してしまったのか気になるところである。

気まずい二人

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