華栄の丘

宋の名宰相・華元の一生。部下に裏切られて敵陣に届けられたり、楚と晋という二大国の間を取り持ったりした。ただ後者のエピソードはあまり描かれていなかったので残念。礼を重んじて事に当たることで様様な困難を乗り越えてきた人であるわけだが、当然幸運にも恵まれていたわけで、それがその人の行動が招いた幸運なのか本当の偶然なのかわからないが、当時の人たちはそういうところを全て「天意」で説明してしまうらしい。それを判断するのはいつの時代も難しいということか。
ただ他の宮城谷作品に慣れてしまった身としては一冊では短すぎるような気がしないでもない。

華栄の丘

華栄の丘