さよなら、さよならハリウッド

監督/出演:ウディ・アレン(2002 米)
内容:元・巨匠と別れた妻とその夫との三角関係。
南の島でのお楽しみとして買っておいたDVD第一弾はウディ・アレン映画。
物語は元・巨匠が別れた妻とその夫との三角関係の中でカムバック作品となる(べき)映画を撮ろうとするが、その寸前に失明してしまう、という話。見る前はタイトルからして少少ハラハラしていた。というのはおかしな邦題の弊害というか、配給会社は作品の結末を暗示しているつもりなのかもしれないが、原題はHollywood Endingなので逆に監督自身のこととかいろいろと考えてしまって微妙な気がする。
実際に見てみると相変わらず笑わせてくれる部分に加えて明るい変化が感じられた。というのはたとえば目が見えないが故に物事がよく見えるというのは「重罪と軽罪」でもあった話だが、今回は妻の罵詈雑言(というほどでもないが)に打ちひしがれた主人公が自信喪失しての失明で、前回とは違って塞翁が馬の感があり、それだけに明るい。「人生は悲惨か無残か」と言っていた頃ならヨーロッパに旅立つことはなく「アニーホール」のように留まったに違いない。このあたりが最近のウディ・アレン映画の明るさにつながっているように思える。結論として楽しかった。