あなただけ今晩は

監督:ビリー・ワイルダー(1963 米)
出演:ジャック・レモンシャーリー・マクレーン
内容:真面目警官がヒモに。

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 たぶん2回目の鑑賞。生真面目な新任警察官が娼婦のヒモになるというありえない話からもう一つのありえない話(字幕では「奇跡」となっていた)までの物語。娼婦の価値観や市場での家畜の扱い等に欧米との差異を感じる場面がないわけではないが、笑いや感動の場面に国境はない。またエレベーターからなにからとにかく画面に現れる小道具はすべてうまく利用される点や狂言回し的な役どころのひげのマスター(この人も小道具と考えれば納得ではある)等、軽い笑いの恋愛映画を作らせたらビリー・ワイルダーの右に出るものはいないことがよくわかる作品。
 ビリー・ワイルダーは他の作品でセックスシンボルとして名高いマリリン・モンローも出演させているが、モンローがいなかったらこの作品の(「アパートの鍵貸します」にも出演している)シャーリー・マクレーンがとって代わっていたかもしれない。と思わせるほどこの作品の彼女はかわいい。コケティッシュというのかな。
 そのシャーリー・マクレーンが演じたイルマのストッキングをはじめスタッフロールの字の色、市場に並んだキャベツに至るまで、作品全体が緑で統一されているのは緑のもつイメージに他ならず、緑は青青とした生きる力や未熟さ、またアメリカではドル札の裏の色ということでお金のイメージでもあるそうで、この作品にふさわしい色だと思ふ。