スパニッシュ・アパートメント

監督:セドリック・クラピッシュ (2002 仏=西)
出演:ロマン・デュリス、ジュディット・ゴドレーシュ、オドレイ・トトゥ
内容:冴えない青年が留学先で共同生活
主人公が参加することになった共同生活にはヨーロッパ各地から集まった学生たちがおり、様様な背景を持っている。共同生活は笑いあり涙ありで過ぎていく。この設定がEUを意識していないはずがなく、「真のグローバル化とは」とか陳腐なメッセージが浮かぶが、相手に対する尊敬の念があって余程偏っていなければそこそこうまく付き合えるというのは小学生でもわかることなので割愛。

もっとも共同生活を通して変わっていく主人公に対して共感できるかというとそうでもないのはつまらないメッセージが鼻につくからというよりも、単純に主人公の自由への、夢に生きることへの憧れの描き方が少なかったからだと思う。少なくとも私は、主人公がそんなに作家になりたがっているとは最後まで気がつかなかったので、官僚の道を捨てたのもやり放題やって楽しかったバルセロナを忘れられず、ただ楽しそうで安易に見える道を選んだようにしか見えなかった。ただバルセロナが良いところであることはわかった。

男3人がそれぞれの立場からテレビをぼけっと見つめる場面やイギリス娘のために皆が力をあわせる場面(特に弟がナイス)は単純に笑うことができてよかった。

音楽は珍しくレディオヘッド(ノー・サプライゼス)がそれらしく使われていたが、音楽の使い方があざといように思えたのもあって微妙な心持ち。