ソウル・オブ・マン

監督:ヴィム・ヴェンダース(2003 アメリカ)
出演:スキップ・ジェイムス、J.B.ルノアー、ブラインド・ウィリー・ジョンソン、ローレンス・フィッシュバーン(ナレーション)
内容:3人のブルースマンの軌跡を辿るドキュメンタリー
ヴェンダースの映画は時に冗長でダラダラと続くように思えることがある。それがはまったのが「パリ、テキサス」であり「10ミニッツ・オルダー」の「トローナからの12マイル」で、はまる場合はいいがはまらないとどうにも退屈に感じてしまう。それがドキュメンタリーだと尚更自己満足の連続でつらい。ドキュメンタリーの対象となる人たちは割と起伏に富んだ人生を送っているのだが。
内容的にはスキップ・ジェイムス、J.B.ルノアー、ブラインド・ウィリー・ジョンソンという戦前から戦後にかけての、おそらくはヴェンダース好みの3人のブルースマンの人生を、再現シーンと実際の映像、そして現代ミュージシャンがその人のブルースをプレイする映像を組み合わせて追っかけている。しかしヴェンダースが監督した再現というか当時の場面は無駄が多く、役割的にもテレビ番組の再現VTRと大差ないのは残念なところ。
この作品はしかし映画としてはダメかもしれないがドキュメンタリーとしてはおそらく秀逸。 3人の紹介に手一杯で一人一人を掘り下げるところまで行かず、まとめも大きな話ばかりでなんとなく手を抜いた気がしないでもないが、貴重な映像がたくさんあるようだし、なにより現代ミュージシャンによる演奏を集めたシーンだけでも見る価値はある。特にルー・リードなんてかっこいいったらありゃしない。

ソウル・オブ・マン [DVD]

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