奇人たちの晩餐会

監督/脚本:フランシス・ヴェベール(1998 フランス)
出演:ジャック・ヴィルレ、ティエリー・レルミット、フランシス・ユステール
内容:バカをバカにするブルジョア青年がバカと一夜を過ごす羽目になる。
全体的にチープなドラマのような雰囲気が漂う密室劇。この映画の肝となるピニヨン氏は集中力がない、空気が読めないバカであるが、こういう人は身近にいるので最初は「ああ、あるある」という感じで今一笑えなかった。第三者として傍観している分には笑えるが、当事者に近い状態になったことがある身としては心から笑えない。後半に入って査察官が登場するあたりから物語は加速し、最後のオチまで一気に引きずり込まれるように見た。そして笑った。電話のくだりでイライラしてしまったら術中に嵌ったと考えていい。
テーマはバカをバカとバカにする奴がバカというありきたりなものだが、私としてはそんな戒め的なものは無視して登場人物みんなバカと捉えたい。その方が楽しい。
この作品はセザール賞の主演男優賞・助演男優賞をダブル受賞しているらしいが、誰が主演で誰が助演だったのかが気になるところ。「おすぎのオスカー」ではないが個人的には査察官に助演賞をあげたい。

奇人たちの晩餐会 [DVD]

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  • ジャック・ヴィルレ
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