王城の護衛者

王城の護衛者 (講談社文庫 (し1-2))

王城の護衛者 (講談社文庫 (し1-2))

幕末の争乱にわく1000年の都・京都を護ることに命を削った会津中将松平容保の生涯「王城の護衛者」ほか4編。これまた読むのは3回目ぐらい。
薩長の側から語られることの多い幕末だが、幕府を倒すからには倒される幕府側にもいろいろと人がいて、その数だけの考えはあるわけで、歴史を舞台に思惑が錯綜する様子は壮大かつドラマチック。松平家から松平家への養子という立場によって幕府に絶対の忠誠を誓いつつ、誰よりも天皇を敬っていた容保が、よりにもよって京都守護職に就くというのは考えられる限りのなによりも厳しい仕事だったように思う。