ウェルカム・ドールハウス

監督/脚本:トッド・ソロンズ(1995 アメリカ)
出演:ヘザー・マタラーゾ、ブレンダン・セクストン・ジュニア
内容:いじめられっ子の日常。
 学校ではいじめられ、家庭ではちゃっかりした妹やヒステリーな母親とケンカし、なんとも面白くない日常だが、主人公ドーンは特にめげることもなく、常に前向きにマイペースを貫く。物語は妹が誘拐される点以外は特に盛り上がりはないが、停滞もしない。まずは服装からどうにかしようよというツッコミを入れたくはなるが、人並みに思春期特有の恋やセックス、その他クールなものへ憧れや家族への複雑な気持ちも持ち合わせており、日常の生活の中で彼女なりに成長していっている。「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」。方丈記の世界。
 自殺するほど悲惨ではないし、殺したいほど憎いわけではない。それでもその微妙な悲惨さが哀しい。