コリーニ事件

2001年5月、ベルリン。67歳のイタリア人、コリーニが殺人容疑で逮捕された。被害者は大金持ちの実業家で、新米弁護士のライネンは気軽に国選弁護人を買ってでてしまう。だが、コリーニはどうしても殺害動機を話そうとしない。さらにライネンは被害者が少年時…

日本発掘! ここまでわかった日本の歴史

2015年迄の日本考古学界の現状というか進捗状況を、旧石器時代、縄文時代、弥生時代、古墳時代、古代、中世それぞれの専門家が述べた講演の書籍化。 本書では縄文時代の章(小林達雄)が飛びぬけて面白かった。このくらい熱がないと他人の興味を引けない。日…

儲ける仕組みをつくるフレームワークの教科書

優れた経営者の思考パターンを落し込んだ9つの質問について解説したビジネス書。横軸にwho/what/how、縦軸に顧客価値/利益/プロセスという3x3の表を作ると、下記の9つの質問ができる。 どんな用事を抱えた人をお客様にするのか 解決策として何を提示できるの…

風土記からみる日本列島の古代史

「風土記の世界」より、もう少し内容について詳しい本。そこに描かれる神々の姿や人々の生活について詳しい。 何かの本で卑弥呼の正体とされていたミカヨリヒメがちょっとだけ出ていた。 新書883風土記から見る日本列島の古代史 (平凡社新書) 作者: 瀧音能之…

風土記の世界

日本で最も古い書物と言えば「古事記」「日本書紀」が挙がるが、「風土記」もまた713年に発せられた命令への地方からの回答(解)なので、回答時期によっては「日本書紀」よりも古いものもあったかもしれない。かもしれないというのは「風土記」のほとんどは…

虫られっ話

手塚治虫の対談集。相手は筒井康隆、北杜夫、田河水泡、横尾忠則、ジュディ・オング、尾崎秀樹、磯村尚徳、石ノ森章太郎、松本零士。 北杜夫との対談と、手塚治虫の奥さんによるあとがきが面白かった。 手塚治虫くらいの大家ともなると、自叙伝のような漫画…

白ゆき姫殺人事件

化粧品会社の美人社員が黒こげの遺体で発見された。ひょんなことから事件の糸口を掴んだ週刊誌のフリー記者、赤星は独自に調査を始める。人人への聞き込みの結果、浮かび上がってきたのは行方不明になった被害者の同僚。ネット上では憶測が飛び交い、週刊誌…

忘れられた日本人

宮本常一のエッセイというか、調べたこと。 歴史の表に現れることのない農村の人々からの聞き取りを丹念に記録することで、点に過ぎない一人一人の話が積もり積もって線となり面となり、徳川の時代から明治新政府へと移り変わる頃の日本の民俗の姿が浮かび上…

少女

親友の自殺を目撃したことがあるという転校生の告白を、ある種の自慢のように感じた由紀は、自分なら死体ではなく、人が死ぬ瞬間を見てみたいと思った。自殺を考えたことのある敦子は、死体を見たら、死を悟ることができ、強い自分になれるのではないかと考…

告白

巷で噂の湊かなえ作品を読んでみた。読んだ3作品の中では「告白」が話としては一番救いがないけども一番面白かった。と書くと私が人でなしのようだけども実際に面白かったので仕方がない。 「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒…

夜愁

サラ・ウォーターズの長編小説。 1947年、ロンドン。第二次世界大戦の爪痕が残る街で生きるケイ、ジュリアとその同居人のヘレン、ヴィヴとダンカンの姉弟たち。戦争を通じて巡り合った人々は、毎日をしぶとく生きていた。そんな彼女たちが積み重ねてきた歳月…

楢山節考

深沢七郎の短編集。表題作『楢山節考』は民間伝承の姥捨て山をテーマとしており、映画化などで有名。 捨てられるのを楽しみとする母、いやいやながら捨てる息子、この二人の気持ちが生生しい。特に楢山参りの日を早めるために自らの歯を石で砕く母おりんの姿…

言わなければよかったのに日記

深沢七郎のエッセイというか日記。 深沢七郎は『楢山節考』を書いた人だが、かなりすごい人だ。著者紹介を読むだけでもそれがわかる。 大正三年、山梨県に生まれる。日川中学を卒業。中学生のころからギターに熱中。のちにリサイタルをしばしば開いた。昭和…

無印良品は、仕組みが9割

この本で大事なことは以下の3つ。 細かいマニュアルを作る。 毎月アップデートする。 マニュアル通りやらせる。 しかしこの3つをやり通すというのは、やったことある人にはわかると思うが、かなーり大変なことである。まずマニュアル作りが大変である。私の…

ハーバード日本史教室

ハーバード大学の教授陣へのインタビュー。日本について勉強している人たちだけあって、示唆するところは的を射ている。ただインタビュアー(著者)の日本上げがひどく、興醒め。せっかくの機会なんだからもっと面白いこと聞けよ、という。 ハーバード日本史…

伝え方が9割

評価が高かったので読んでみたビジネス本。 相手の立場で受け入れやすい言葉にすると、まったく伝わらなかったものが少しは伝わるよ!という本。具体的には 相手の好きなことに絡める 嫌いなことを回避 相手に選ばせる 相手を認める 相手に限定する チームワ…

グランドマンション

折原一のミステリ連作集。"グランド・マンション"に住むあくの強い住人たちの引き起こすトラブルがミステリ仕立てでまとまっている。 ミステリはパーツを並べてそのつなぎ目を隠すことで成り立ち、つなぎ方に意外性があるだけ読者は驚かされる。しかしそのつ…

パイド・パイパー

ネビル・シュートの長編小説。ドイツの爆撃にさらされるロンドンのクラブで出会った老人から聞いた冒険譚。 主人公は70歳のおじいさんで、戦争の始まったフランスから脱出しなくてはならない羽目に陥ってしまう。しかも他人の子供を連れて。しかもどんどん増…

東大生が身につけている教養としての世界史

実は世界史をちゃんと勉強したことがない。高校の授業で少しやったくらいで、覚えているのは担当のシロタ先生がすごく優しく教える先生だったこと、なぜか「イスラム教の開祖はマホメットではなくムハンマド」ということだけには異常なまでのこだわりを持っ…

女系図でみる驚きの日本史

古典好きな著者が古典を読みつつ作っていた系図から見ることのできる驚きの日本史。中世は胤よりも腹が重視されていて、女性の地位の低下と思に胤重視の現代に至る、という話を雑学多めでお伝えする新書である。内容は下記の通り。 平家は本当に滅亡したのか…

銃・病原菌・鉄(上・下)

ニューギニア人の友達から聞かれた「なぜヨーロッパ人がニューギニア人を征服し、ニューギニア人がヨーロッパ人を征服することにならなかったのか?」という疑問からはじまった、ジャレド・ダイアモンドの文化論。 タイトルの「銃・病原菌・鉄」は旧世界が新…

ヨーロッパ「近代」の終焉

ヨーロッパの歴史をざっくりと再確認した上で、これまでのさまざまな認識が限界を迎えていることから、新しい時代に入って色々考えなきゃならんよね、という本。 1992年の本だから、古く感じる面もないではないが、現代に至るまでに変わった点が少ないのか全…

ゲイルズバーグの春を愛す

ジャック・フィニィの短編集。それぞれベタなアメリカン・ジョーク的ユーモア、懐古趣味、SF、ちょっとしたミステリー、それぞれほどよく整えられたかんじの短編ばかり。 それぞれが面白いアイデアなんだけども落ちが読めないわけでもない。怪奇小説というほ…

シャンタラム(上)(中)(下)

オーストラリア人の冒険小説@ボンベイ。刑務所からの脱走、スラムでの生活、ギャングへの仲間入り、薬物中毒、アフガニスタンでの戦争など、とにかくエピソードが盛り沢山であった。波乱万丈。七転八倒。一日一善。 全体に過去の話を主人公が振り返る形で話…

自然界における左と右

鏡の話から始まり、平面、立体、絵画や文学、宇宙にまで話を広げて対象や反転、つまり右と左について。生き物の左右非対称性や、結晶、分子の非対称性、そして非対称性の起源、オズマの問題のあたりまでは楽しく読めていたのだが、パリティのやぶれとかその…

世にも奇妙な人体実験の歴史

自らを犠牲にして科学の発展に貢献した科学者たちの列伝。という説明だけでは物足りない、知人たちのエピソードが次から次へと紹介される本。難しい専門用語はほとんどないので読みやすい。 例を挙げると、淋病と梅毒の違いを調べるために自身の局部に傷をつ…

ただひたすらのアナーキー

ウディ・アレンの短編集。 養女と結婚した映画監督として有名なウディ・アレンが、そのスキャンダル後、かなり復活したらしい。低迷していたのも知らなかったが、作家としても久しぶりのものとなったのが今回の短編集らしい。 テーマは様々だが、どれも主人…

差別と日本人

野中広務と辛淑玉の対談。 部落差別を受けてきた野中さんの話を中心に、日本における差別の話。基本的に辛さんが日本を叩きたいだけのようにも思える。 部落差別というのは関東ではあまり馴染みがないけども、確かに存在した話であって風化しないよう努める…

黄昏の彼女たち

サラ・ウォーターズの長編小説。 1922年、ロンドン近郊。戦争で男手を喪い、母とふたりで暮らすフランシスは、生計のため広すぎる屋敷に下宿人を置くことにする。広告に応じたのは若い夫婦、レナードとリリアンのバーバー夫妻だった。家の中に他人がいる生活…

壊された夜に

アイランドホッピングを前に読む本がなくなるという窮地から逃れるために空港で買った本。長編サスペンス? なんだかよくわからないけど命を狙われている女性が殺し屋にさらわれてアレー?という話。説明不足なまま転がりだす前半は面白かったが、後半から恋…