カバー曲のすすめ

 カバー曲が好きでよく探している。良いカバー曲というのはなかなかないが、こんな人がこんな曲を!というのが見つかるとうれしい。ちなみに私の中では良いカバーの条件は簡単で、オリジナル曲をうまく自分流に解釈しなおしつつオリジナルの良さを残していること。オリジナルそのままの演奏ではコピーになってしまうし、演奏者のクセが強すぎてもカバーをする意味が無くなってしまうからである。
 カバーされる曲としてはやはりビートルズがさすがによく知られており、カバーも多い。いろんな人がカバーしているので違いも分かりやすく楽しい。ほぼ同時代の70年代からたくさんカバーされているというから影響の大きさもわかる。というわけで私のオススメのカバー曲動画を以下に貼っておく。
 


Ike and Tina Turner She Came In Through The Bathroom Window

 

 Ike & Tinaの She Came In Through the Bathroom Window。Tina Turnerが窓を破って入ってきそうな勢いがあって良い。ちなみにIke & TinaはCome togetherのカバーも有名。


The Black Keys - The Big Come Up - 09 - She Said, She Said

 The Black KeysのShe said, She said。原曲にあるインドっぽさの代わりにブルースロックをぶち込みつつも、ギターの余韻にわずかながらナマステを感じる。

 


OH! DARLING

 

 Norah JonesのOh!Darling。ノラ・ジョーンズビートルズに限らず、というよりもっとカントリー方面でカバーが多い。今回の主旨とはズレるがJohnny CashのCryCryCryのカバーもカッコいい。

  と、ここまで書いたところでThe 100 Best Beatles Coversという記事を見つけてしまって途方に暮れている。ultimateclassicrock.com

 この後に挙げようと思っていたSt VincentのDig A Ponyとかが入っているじゃないか。ギター一本でね、カッコいいんですよ。他にも初めて見るのがいっぱいだー。

 たくさん見つかってうれしいような、自分のやろうとしたことの上位互換を見つけてかなしいような、複雑なこころもちだが、先述の3曲は入ってないから良しとしよう。この際100曲の方でもいいのでビートルズ好きな向きは是非一度カバーをお試しください。

既存の何かを変えようとするなら代案を出してほしいという話

 どこかの野党の話ではなく、仕事の話。
 お店をやっていると、いやお店のことだけではなく全ての仕事であることだろうけども、他のスタッフから「これはこうした方が良いんじゃないですかねー?」という提案をもらうことがある。南の島に暮らして10年を超えたあたりから『普通』ということに自信が無くなってきているので、こういう提案は大歓迎である。
 ただ大抵の場合、世にあるものにはそれなりの理由がある。たとえお店の陳列がつまらなく見えるとしても、それは電源の位置とか、他の商品との関係とか、備品の数とか、いろんな条件と試行錯誤の結果なので、何かしら納得できるものを提示してもらわないと、軽軽に変更はできない。
 文字にしてみるとごく当たり前のことだが、提案する側はそこまで考えていないのか、「これがこうなってるのは~」と説明すると、すぐに提案を引っ込めてしまったりする。そこは打ち破れよ。若さで。実はよく考えたら以前とは条件が変わっていたとか、既存の理由が大したことなかったとかいうこともないではないんだから。
 こういうことは与党と野党(前のやり方と新しいやり方でも、緒方と佐々岡でも、大山のぶ代水田わさびでも、なんでも可)の例を出すまでも無く、おそらくよくある話である。だから守旧派は改革派の提案を無碍にせず、変化の機会と思って検討だけでもするべきなのである。改革派は無暗に変化を迫る前に理由と原因を調べるべきなのである。タイトルからズレた話になったが、これはなんでこうなんだろう?という問いは重要よね、という話。

体調が悪いというスタッフを病院に行かせたらデング熱だった。

 お店の日本人スタッフが体調が悪いという。忙しくないからゆっくり休んでくれたまへと、二日休ませたが良くならないので病院へ行かせたところデング熱にかかってることが判明した。蚊を媒介にしてうつる病気である。わかったところで特効薬もないので水を飲んで家で安静にしている他ない。10日くらいは出社できまい。お大事に。
 薬局で解熱剤をもらう際、他に虫除けスプレーと蚊帳をもらったという。今更虫刺されに気をつけても遅いでしょ。しかし感染者が刺されるとさらに感染が広がるので、それを防ぐつもりなのかもしれない。ちなみに外国人の診察料は一回20ドル。蚊帳があっても20ドルというのは良心的と言えるかもしれない。

歴史に消えた古代図書館は誰もが想像できる方法で存続していた『失われた図書館』A・M・ディーン

 映画化を狙ったような海外サスペンス小説を読む場合、姿を現さない悪者の描写とか、主人公が悪者と対峙する場面がすごくいらないと思うのだけども、それはおそらく読む原動力が謎の部分への期待にあるからである。ただ海外サスペンス小説の著者はどういうわけか前者に重きを置いているようで、私にとっての当りは少ない。

 『失われた図書館』は古代アレクサンドリアの図書館が今も存在しており、それを狙う悪者に主人公が巻き込まれる話であるが、やはり姿を現さない悪者の描写など(私にとって)わりとどうでもいい場面が多く残念であった。しかもその割に主人公を追い詰めておきながら悪者同士の引継の悪さであっさり逃がしたりするし。ホウレンソウすらできてないなんて、悪の組織は現代的でしっかりとしてる風だったけど台無しだあ。

 一方で謎に至るまでの過程はどうかといえば、慎重を期すにしてもイスタンブールは行かなくて良かったよう気もするし、世界的に有名な大学教授が考えたようなスマートさは感じない。肝心の謎の行方も、現実的に考えてそうなるよねという種明かしで、予想できる範疇を超えない不満というか、裏切られない。劣化版ロバート・ゴダードもしくはダヴィンチコード

 それからこういった小説の主人公は家族や恋人を大事にしていてそれが弱点となることが多い。家族を大事にしない主人公というのがいるとすれば魅力に欠けるし、実際弱点となりうるのは当然とは思うが、あまりにも多くの主人公が、次の休暇を家族や恋人と過ごすことを楽しみにし過ぎだし、悪者に家族や恋人のことで脅迫されすぎる。欧米の理想なのかもしれないが食傷気味である。

失われた図書館 (集英社文庫)

失われた図書館 (集英社文庫)

 

 

素晴らしき製麺機の世界

 お店にいるとお客さんから様様な依頼がある。日本人がやってる店だから日本製品ならなんでも取り寄せてくれると思っているようで、ありがたいことではあるが、なかなか商品を見つけるのが難しい。

 多少なりとも知識のある分野の商品であれば見当はつくのだが、全く知らない分野だと一から勉強して妥当な商品を選ばなければいけない。良い(と思われる)商品を見つけても、仕様や性質から輸入が難しいことも多い。お客さんの希望通りでも価格が折り合わないこともある。その場合はもちろん注文はしてもらえない。ただ働きになるのは仕方がないとしても、人によっては「なんで注文できないんだ!」とか「値段が高すぎる!」と怒る人もいる。知らんがな。安くしてほしいという気持ちはわからないでもないが、変なものは売れないし、良いものは高いのである。好き勝手言うなら自分で輸入したまえ、と思うこともないでもない。

 今日来たお客さんは近所の台湾人?らしき人で、英語が喋れない様子。それでも筆談やらグーグル翻訳やらを交えてなんとか欲しいものを聞き出す。どうやら製麺機がほしいらしい。しかも「中国製はダメ。日本製が良い。」とのこと。製麺機。料理に興味のない私には縁のない商品であるが、これも勉強といろいろ調べてみた。そして専門用語に彩られた製麺機界に衝撃を受けたので、その一部を紹介したい。

「OO株式会社は麺の聖地です」
「こんぴらシステムNo.1」
「リッチメン」
「美しい麺帯」
「 自動化にしてもグルテン形成に妥協はしません。」

 いずれも日本メーカーの努力と真面目さが伝わってくるコピーである。言葉のチョイスが極彩色に思えるのは門外漢ゆえで、問題はこちらの勉強不足にある。ちなみにこれらのパワーワードのせいでなかなか頭に入ってこなかったが、製麺機は大きく分けて、少ない量を作る家庭用と時間当たり何食可能!という業務用があり、あとは生地を機械に作らせるかどうか等の機能的な面でいろいろ種類があるらしい。今後の参考にしていきたい。 

フィリップス 家庭用製麺機 ヌードルメーカー HR2365/01

フィリップス 家庭用製麺機 ヌードルメーカー HR2365/01

  • 発売日: 2014/06/20
  • メディア: ホーム&キッチン