レ・ブロンゼ/再会と友情に乾杯!

監督:パトリス・ルコント(2006 仏)
出演:ジョジアーヌ・バラスコ, ミシェル・ブラン, マリ=アンヌ・シャゼル, クリスチャン・クラヴィエ, ジェラール・ジュニョ他
内容:有名シリーズの三作目。

1978年、ポペイ、ジジ、ジェローム、ベルナール、ナタリー、そしてジャン=クロードは、コートジボワールのバカンス村で出会った。
それから27年、彼らは親交を深め、毎年夏は、ポペイが支配人を務める(実際のところは彼の妻、グラツィエラが相続して所有しているものではあるけれども)豪華な海辺のリゾートホテル、プルナスリゾートで1週間再会することになる。今年も27年間友情を深めてきた彼らがまた、リゾートホテルに集まる時がやってきた。(amazon

有名シリーズの3作目と知らずに見た私が悪い、そう思わずにはいられないほど徹底したドタバタコメディだった。ただミシェル・ブランの西海岸スタイルが見ることができたのは良かった。
ミシェル・ブランと言えば『他人のそら似』をもう一度見たい。あれは面白かったよなーと、DVDを探してみたのだけども、探しても見つからず。発売されていないようだ。

ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち

監督:ティム・バートン(2016 米)
出演:エヴァ・グリーンエイサ・バターフィールド、クリス・オダウド、アリソン・ジャニールパート・エヴェレットテレンス・スタンプ、エラ・パーネル、ジュディ・デンチサミュエル・L・ジャクソン
内容:祖父の遺言

少年ジェイクは、現実と幻想が交錯する中で、奇妙な子供たちが暮らす“ミス・ペレグリンの家”を見つけ出す。子供たちが不思議な能力を持ち、ひたすら同じ一日を繰り返す理由を知る一方で、彼らに忍び寄ろうとしている危険に気付くジェイク。さらに、ミス・ペレグリンの家へと導かれた理由と自身の役割を知る。やがて、真実が明らかになるとともに、子供たちに思わぬ変化が起こるが……。(シネマトゥディ)

この映画のオープニングを見ながら、ファンタジー映画で毎度異なる設定で異なる世界を描き出すけど、もっとその世界を知りたい!と思わせる魅力的なのもあれば、そうでない中途半端なのもあるよなあ、とか考えていたが、この作品は前者でした。作品中での説明が十分なわけではない。というよりむしろ後半は特に説明が足りず、勢いだけで乗り切った感もあるが、それを補って余りあるのがミス・ペレグリンの魅力。どこかで見たことあるきれいな人だと思っていたら、「カジノ・ロワイヤル」のヴェスパーでした。
ティム・バートンといえば独特の「奇妙な世界」が持ち味で、まっとうな世界からはみ出した人たちを描くのがうまい。『ビッグ・フィッシュ』『チャーリーのチョコレート工場』あたりが浮かびますが、そこにエヴァ・グリーンの魅力(ミス・ペレグリンのキャラの魅力もあり)を加えたのがこの映画の魅力かと思う。おすすめ。

トゥーム・レイダー ファースト・ミッション

監督:ローアル・ユートハウグ(2018 米)
出演:アリシア・ヴィキャンデルドミニク・ウェストウォルトン・ゴギンズダニエル・ウークリスティン・スコット・トーマス
内容:トゥーム・レイダーのできるまで。
ユナイテッド機内で見た映画。以下あらすじ。

大学生のララ・クロフトアリシア・ヴィキャンデル)は、バイク便のライダーとして働いているが、生活はいつもギリギリ。冒険家である父親は彼女が子供のときに行方をくらまし、亡くなっていた。その父の最後の目的地が、日本のどこかにあるとされている神話上の島の伝説の墓だった。ララはその島を探すために冒険に乗り出す。

日本が舞台!かと思いきや、なんだかよくわからない場所で興醒め。いっそ日本にしてくれない方が楽しめたのでは、という気すらする。主演のかわいい女の子は頑張ってアクションをやっていたので、退屈な機内での暇つぶしには丁度良かった。

ヒューゴの不思議な発明

監督:マーティン・スコセッシ(2011 米)
出演:ベン・キングズレージュード・ロウクロエ・グレース・モレッツ
内容:パリの駅に住む少年がじいさんの秘密を暴く。

1930年代のパリ。駅の時計台にひそかに住む孤児の少年ヒューゴ(エイサ・バターフィールド)の唯一の友達は、亡き父が残した機械人形だった。壊れたままの人形の秘密を探る過程で、彼は不思議な少女イザベル(クロエ・グレース・モレッツ)とジョルジュ(ベン・キングズレー)に出会う。やがてヒューゴは、機械人形にはそれぞれの人生ばかりか、世界の運命すらも変化させてしまう秘密があることに気付き……。

映画への愛にあふれた作品で出演者も豪華だが、ヒューゴは「不思議な発明」をしないしイザベルは「不思議な少女」ではないし、機械人形は「世界の運命すらも変化」させない。なので肩透かしを食った気分。面白いんだけど。羊頭狗肉ではなく牛肉、みたいな作品。

ペテン師とサギ師 だまされてリビエラ

監督:フランク・オズ(1988 米)
出演:スティーブ・マーティンマイケル・ケイン
内容:ペテン師と詐欺師の詐欺合戦。


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 80年代のアメリカ映画に、間違っても大ヒットはしないけどもしっかりと笑わせてくれる作品が多かったのは、1975年から始まったサタデーナイトライブ(SNL)の功績が大きい。番組で有名になったジョン・べルーシ、ダン・エイクロイドチェビー・チェイスビル・マーレイとかそのあたりのコメディアンが看板となって映画が作られており、SNLのノリで作られているので何となく雰囲気に通じるものがあり、SNL好きにはたまらない。ちなみにみんな大好き「ブルース・ブラザ−ス」もSNLのコントを膨らませたスピンオフ作品である。
 スティーブ・マーティンSNLのオリジナル・メンバーではないが、当時からゲストとして多く登場している(通算15回)ので「そのあたりのコメディアン」に含まれる。と思う。ただオリジナル・メンバーでないせいか、SNLノリとは少しだけ趣が異なっており、その分だけ映画にも向いていたのか、映画の出演作品は多い。
 本作「ペテン師とサギ師」も、そのスティーブ・マーティンの代表作の一つで、得意の顔芸、うさん臭いほど明るいアメリカ人(という演技)などを楽しむことができる。ちなみに障碍者ネタも得意で作品内で見ることができるが、今同じことをやったらいろんなところから抗議殺到間違いなしである。
 この作品のもう一人の主演がマイケル・ケインマイケル・ケインは1988年当時ですでに英国を代表する俳優であり、こんな映画に出るような人ではないが、だからこそ何をやっても面白い。キャスティングの勝利といえる。
 アメリカ人とイギリス人を体現する二人を詐欺合戦という形で競わせた監督は、スター・ウォーズヨーダの声でおなじみのフランク・オズ。「ブルース・ブラザース」のオープニングでジェイクに刑務所で預かっていた携帯品を返す人と言えば、誰もがその変な顔を思い出すことでしょう。
 総じて映画史に残るような作品ではないが、万人にオススメしたい作品。
 ちなみにもう一つ指摘しておきたいのが、日本語タイトルのすばらしさである。原題は「Dirty Rotten Scoundrels」で、直訳すると「汚い腐った悪党たち」。形容詞二つで二人の悪党を連想させようとしているのかなとも思うが、とにかくこれを「ペテン師とサギ師 だまされてリビエラ」と訳してしまうのは大したものだ。最近はなにかとおしゃれな方向に持っていこうとするのが多く、こういうセンスのある邦題を見なくなって久しい。映画会社はこういうところにももっと力を入れるべきであると思うのは私だけではあるまい。